自然倶楽部 1989年9月号 14-16P
試してみよう不思議なオリジナルフライ あの川、この毛鈎

ランダムリバーPART2の巻

使用マテリアル

使用マテリアル

先月号のエルクヘアーカディスはうまく巻けたでしようか。 初心者にも意外に簡単に巻けるパターンなので、タイイングの基礎テクニックをマスターするのには格好のフライだったはず。 この機会でタイイングに自信を持てた読者も、きっと多かったのではないでしようか。 もしかしたら、首尾よく魚を手にしてニンマリの読者もいるのでは--。 そういうイイ思いをした人はどしどし編集部に御一報を下さい。 さらに充実した資料にするための貴重なデータにさせていただきます。

今月のパターンは夏から秋にかけて威力を発揮するテレストリアルパターンの中から、"ロイヤルハンピー"と"イエローハンピー"の2種類をセレクトしてみた。

この2つのフライも先月号のカディス同様対称河川を特に選ばない、いわば全河川共通のフライで、浮力の強さと巻きやすい事から人気があるスタンダードパターンである。 2つのフライの違いは、アンダーボディの色と、テールの素材が異なるところで、河川や天候、ポイントの状況によって便い分けるのがコツ。

使い分けのポイントとしては、

まず川全体の色。 保護色になって視認性が悪くなれば合わせのタイミングが狂ってしまう。 常に視認性のいいフライを使うことが重要である。

次に天候。 これまでに集まった各河川のデータによれば、くもり空にはイエローハンピー。 晴天にはロイヤルハンピーを使う方が効果的なようだ。

次にポイントの形状。 これは天候と川底の色によっても違うが、トロ場のイエロー、流れの速いところではロイヤルハンピーとのデータが出ている。

以上の事に注意してセレクトすれば、「グァバッ!!」と水面に巨大な渓魚が飛び出してくる…とイイナァー。

使用にあたっての注意点としては、ナチュラルドリフトにこだわらずにいろいろなプレゼンテーションを試みること。 本来テレストリアルは陸生昆虫なので、水面に落ちればもがくことが多い。 多少ドラッグをかけてもがきを演出するのも効果的である。 但し、カディスのフラッタリングほど簡単ではないので、何度も試してみること。

ロイヤル&イエローハンピーの巻き方

Humpy
Humpy Tying No.01

1.ファンデーションスレッドの上に、スタッカーでそろえたカーフテールを取り付けウイングとする。


Humpy Tying No.02a

2(a).ウイングの余分をカットし、カットした部分をそろえるようにムースボディヘアーを巻きボディとする。


Humpy Tying No.02b

2(b).イエローハンピーのテールはエルクヘアーを2(a)と同様に巻きつける。


Humpy Tying No.03

3.オーバーボディはディアヘアーを一つまみカットして、ウイングの付け根部分からシャンクに対して平行にとりつける。


Humpy Tying No.04a

4a.3の上に赤のワックスドフロスをテール側から数回巻きつけ、アンダーボディとする。


Humpy Tying No.04b

4b.イエローハンピーのアンダーボディはイエローのワックスドフロスを使う。


Humpy Tying No.05

5.オーバーボディのディアヘアーを、フロスの上にかぶせ、ウイングの付け根のところで止める。


Humpy Tying No.06a

6a.ディアヘアーの余分をカット。ブラウンのハックルを2枚、毛先がテール側に向くようににとりつける。


Humpy Tying No.06b

6b.イエローハンピーのハックルはブラウンとグリズリーのミックス。


Humpy Tying No.07

7.ハックルはウイングのアイ側のところまで、1枚づつていねいに巻くこと。


Humpy Tying No.08

8.ハックルはウイングのアイ側に2~3回巻いてから止める。


Humpy Tying No.09

9.ハーフヒッチャーでアイを巻く。


Humpy Tying No.10

10.ヘッドセメントでアイを固定したら、フィールドで困らないようにアイにニードルを通しておく。


Humpy Tying No.11a

11a.完成したロイヤルハンピー。


Humpy Tying No.11b

11b.完成したイエロハンピー。


ハーフヒッチャーをうまく使おう

Half hiter using No.1

1回で終わらそうなどとは考えず、2~3回に分けて少しずつ巻いていくのがコツ。


Half hiter using No.2

ハーフヒッチャーの先端をアイにはめ込む。


Half hiter using No.3

ハーフヒッチャーをゆっくり回すと、自然にスレッドがアイ側にずれていく。


Half hiter using No.4

こんなふうに指でおし込むと、ハックルを巻き込んだりスレッドに耳ができるおそれがあるのでやめた方がいい。


(自然倶楽部1989年9月号 14-16P)


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