自然倶楽部 1989年3月号 49-51P
試してみよう不思議なオリジナルフライ あの川、この毛鈎

宮城県・名取川・新川の巻

使用マテリアル

使用マテリアル
激流(Gekiryu)

アタリ鈎の解答はフィールドで探せ…


激流改(Gekiryu Kai)のバリエーション

2月号のスタンダ−ドフライ"ホワイトイレジスティブル"はうまく巻けただろうか。 ビギナーにはちょっとむずかしかったかもしれないけど、この毛鈎にはタイイングをマスターするのに必要不可欠な基礎テクニックがいっぱいつまっているんだ。 巻くのをあきらめて途中で放りだした人もぜひ再挑戦してほしい。

スタンダードフライを巻くのに、パターンブックを教則本にしてる人が多いと思うけど、ボクらがほしいのは並のスタンダードフライではなく、実績のアタリ鈎のはず?

パターンブックはタイイングの基礎テクニックをマスターするための重要な参考書にはなるものの、アタリ鈎のこたえはフィールドにあるのダ!!何度も何度も川へ足を運んで工夫してこそ、オリジナルのアタリ鈎を作ることができるのである。

今回はフライ歴30年のH氏が自然倶楽部のために初めて公開してくれた「激流改」工夫を重ねてできた純粋なオリジナルフライである。

対象河川は宮城県名取川と新川。

"激流改"

この鈎の特徴はシーズンと場所を使い分けるためのハックルのデータが完成しているところにある。

シーズンを大きく3期(早期、盛期、後期)に分け

をそれぞれ使い分けることにより、さらに確実なアタリ鈎となるのダ。

さらにウイングは川床の色等によって、より視認性のいいものに変える。 ウイングはあなたの自由な発想で工夫してみてはいかが。

てんから師達に学んだもの

日本でフライ・フィッシングが話題になり始めた1970年代前半、ほとんどのフライマンのテ−マのは、「キャスティング」であった。 ブラウントラウトやレインボ−の為の洋書や、しったかぶりの都会のフライマンの書いた、やたらキャスティングを強調した本しか手に入らなかった時代である。

そんな状況下で東北地方の一部のフライマン達は、どうしたらヤマメやイワナを釣ることができるか暗中模索し、その解答を"てんから"に求めたのである。

季節、時間帯による毛鈎の使い分けなど経験豊かなてんから師の技術を学ぶには、数多くのフィールドに足を運ぶしか手がなかったのである。

この頃、密かに"てんから師"達にさかんに使われていた"激流"という毛鈎があった。 現在のフライとは異なり、チモトの部分にハリスが付いているといった形状で、再現してはみたものの、チモトの部分に金箔を張ることができなかった。 蓑毛(ハックルのこと)の色は茶か黒だったと思うが、フライとして完成させた時はハックルの色で数種類に分かれ、時期と場所で使い分けている。

最近フライの専門誌や専門店からの情報によれば都会のフライマン達の間で密かに"てんから"が見直されているという。 しかし彼らが気付く10数年も前に、"てんから"を参考に現場の技術を磨き、てんから鈎を基にしたフライを作れたのは東北のフライマンだからこそできたことである。

"激流改"の巻き方

激流改(Gekiryu Kai)
激流改(Gekiryu Kai) Tying No.01

1.ファンデーションスレッドは、アイ側からシャンクの全長1/2ぐらいまで巻く。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.02

2.ファンデーションスレッドの上にウイング材のマラードダックのプレストフェザーをとりつける。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.03

3.ウッドダックのフェザーを先端を揃えて切り取り、テールとする。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.04

4.バックボディはフロスをテールの付け根から1/3ぐらいまで巻き、うすめたヘッドセメントでほどけないようにかためる。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.05

5.ピーコック・スオードを4本先を揃えて切り取り、フロスの巻き終わりの部分に先端側を取り付ける。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.06

6.ハックルプライヤーでピーコック・スオードをまとめてはさみ、ハックルスペースを残して巻きつけフロントボディとする。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.07

7.グリズリーとブラウンのハックルを各1枚づつ取り付ける。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.08

8.ハックルはアイ側の方からきつすぎない程度にきちんと巻くこと。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.09

9.最初に巻いたハックルのすき間をぬうように2枚目のハックルを巻く。


激流改(Gekiryu Kai) Tying No.10

10.ハックルを巻き込まないように注意してアイを巻く。ヘッドセメントでかためて完成。


ハックルの使い方

Hackle adjust No.1
Hackle adjust No.2

1枚のハックルの根元を持ち、先端から曲げ自然に曲がる部分から切り取る。


Hackle adjust No.3

長さの違うハックルでも、実際に使える部分は短い方のハックルと大差はないのダ。


(自然倶楽部1989年3月号 49-51P)


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