王室への献上写真の1枚。 エジンバラ公のホースドライビング競技会でのスナップで、拡大した数葉を献上した。 後日バッキンガム宮殿より丁重なる礼状を頂き恐縮した。(第6話)
1630年代に開業したロンドン最古のパブ(居酒屋)のひとつ、ザ・フラスク。 そのまま訳せば「酒びん」飲んべいが考えそうな名である。 昼下りには店から客が溢れて、このように外までいっぱい。 それに中年ウエイトレスのわい談が実に愉快でこれが又、1杯余計に飲む結果となる。(第11話)
セント・ジェームス公園のトワイライトコンサート。 主なお客は老人、退役軍人などで観光客はほとんどなし。 でも充実したひとときを味わえる好演奏です(第17話)
ヒルとよばれる丘陵地帯の南スコットランド。 次々とあらわれる雲は変化しながら流れ去る。 時間を失念してしまいそうなのどかさが広がる。(第20話)
英国鉄道ご自慢のHST125式のヂーゼル列車。 時刻表にはその名が残っている車両の看板は無い現在のフライング・スコッツマン号。 (第24話)
セント・ジェームス・パッセージの突き当たりにある釣具屋で100余年ここで商売をしている。 もともとこの付近には御用達企業が集まっていて、公爵や伯爵などが買い物しやすい地区である。 客もネクタイ、店員もネクタイといった案配の格式だらけが充満している。(第30話)
フラットと呼ばれるロンドンの長屋。 整然とならんだ煙突が面白い。 日本のようにVHF帯のTVではなくUHFのために、テレビのアンテナなど、この煙突にくくりつけている家が多いのだが、この辺はTV局が近い為かほとんど室内アンテナで用が足りるのですっきりしている。(第31話)
近衛連隊の衛兵で女王直属。 ボタンの配列でわかるそうで、連邦連隊の衛兵よりも、クイーン好みかハンサムボーイの比率が高いのだそうです。(第33話)
北イングランドのアーニックの野外マーケット。 7月というのにセーター、外套の人がショッピングしていて、今は夏かと自問自答する。(第34話)
洋の東西を問わず釣り人の話は同じで、釣りそこなった魚の大きさ。 ロンドン市内の私有地の池での風景。(第36話)
子供の頃、すぐ裏に三遊亭という寄席があり、3才の頃から木戸御免で通いつめた。 当時からやじ馬根性丸出しだったそうで、東京っ子の持つそそっかしさもいまだに変わらない。 寄席が英国に変わっただけで、裏を返す程通いつめた結果、観光ガイドブックや定食式回遊コースなどにはとんと興味がわかず、逆にやじ馬魂が居残り左平次の布団部屋的な見聞を得る機会となった。 したがって英国の話となると、一般のレポートとは違ってくる為、それなりに書き残したメモがこの英国やぶにらみである。 ある人を介して釣具界の林さんの目に触れることとなり、同紙に掲載される事になった。 そそっかしいからハジも顧みずいつの間にか1年半の長期連載となって、我ながらよく書いたと唖然としている。
私書版上梓に機会を与えて下さった釣具界社長松本様、そして機械植字をしていただいた中沢様、ロンドンでの安居を長年提供してくれたミラー会長、励ましを下さったツネミ会長の常見様、そしてご支援いただいた多くの各位に哀心よりお礼を申し上げたい。
十志庵にて 荒井利治