前書きにかえて
世界中のFlymanの誰もが使っていると言われているHARDYのFLYリールについてカタログには載っていないリールの歴史や登場の背景等興味深い話を紹介する。
この資料は1983年に株式会社アングラーズリサーチの荒井利治様が作成・発行されたものであるが、このホームページに載せるにあたっては独自に写真や、その後追加された関連製品などについての情報をごく一部だけ付け加えた。
ご好意により掲載をお許し頂いた荒井利治様に深く感謝します。
- Perfect
- LRH.Lightweight
- Flyweight
- Featherweight
- Princess
- Marquis
- Sunbeam
- Prince
- Viscount
- Uniqua
- 製造初年 : 1891年
- 改良年度 : 1975年
- 製品の概要 :
- 1885年、Nottinghamリールに始まるリールの製造は1891年に誕生したPerfectで安定期となった。
爾後1967年迄数多くのバリエーションを持ったこのリールはHARDYの代表リールとして君臨した。
- 世界中に所有者を得て製造終了を惜しむ声が多く、特に米国の愛好家の間から再生産の希望が寄せられた。
三代目社長William F.Hardyはこれらの要望に答えて再び発売となった。
- 本体は3つのパーツでボディ部分とスプール、そしてハンドルプレートで構成されている。
- 初代社長John James Hardyの主張はこのデザインであれば、スプールにハンドル操作による負荷がかからず、長期使用においても歪みがでないとの理由からであった。
またガタツキを防ぐ為ボールベアリングを採用して密着性能を強化するなど今日でも全く改良の必要がない程で当時の技術の高さが判る。
- レギュレーター機構などの細かい点に改良を加えて市販となったのでこのリールについては依然製造初年は1891年となる。
種類 :
- Perfect 31/8
- 直径 : 31/8"(7.9cm)
- 重量 : 5 3/8oz(152gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+25yds(22.5m)
- DT5F+0yds
- Perfect 33/8
- 直径 : 33/8"(8.6cm)
- 重量 : 6oz(170gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+75yds(68m)
- DT5F+50yds(45m)
- DT6F+25yds(22.5m)
- Perfect 35/8
- 直径 : 35/8"(9.2cm)
- 重量 : 63/4oz(191gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+125yds(114m)
- DT6F+100yds(90m)
- DT7F+75yds(68m)
- DT8F+50yds(45m)
バリエーションおよび関連商品 :
- 左ハンドルモデル(31/8, 33/8, 35/8)
コメント :
- PerfectリールはHARDY社にとっては創業者John James Hardyの心であり又、110年間のシンボルでもある。
- 同社の商標は長い間PalakonaロッドとPerfectリールであった事は日本ではあまり知られていない。
城の囲いとフライのマークである現在の商標はまだ20年程度しか経っていない新ロゴなのである。
- さて、Perfectの復製にあたってはアメリカの代理店の多大の支援があった。
既に70余年にわたり使用してきた金型は再使用は不可能であり、すべて新調せざるを得ない状況であった。
しかし受注予定など確定的でなく復現は難しいと思われたが、再現初年は米国に独占販売権を与える事を条件として米国からの支援を得てここに再現を見たのである。
- 1975年7月再現第1回としてわずかの数が工場出荷されアメリカに渡ったが製品の紹介もアメリカ版のHARDYカタログのみに許され、HARDYの一般カタログには掲載できなかったのである。
そのため後年に残る全ての資科に再現初年が1976と記される事になる。
- フライの人口を考えるとアメリカの影響力が如何に大きいかを知らされる思いでもある。
- 製造初年 : 1951年
- 改良年度 : 1975年
- 製品の概要 :
- HARDYの二代目社長Laurence Robert Hardyは創業者John James Hardyの築き上げてきた名声を確定的にしたことで知られる。
- 工場の近代化を図るとともに技術の改善を率先してアルミニューム合金を主体とした今日のフライリールを完成させた。
また輪出についても積極的で海外市場の拡大に努めた。
- 1936年に発表したLightweightリールを母体に現在と同じシルバーカラーのスプールとガンメタルボディーの組合せに変更し、デザインの一新をした。
- 彼の優れた感覚とデザインは米国や欧州で歓迎され以後のモデルヘ大きな影響を与えるとともに人気商品として成長した。
- "LRH"と明記された商品は全て彼の手になるものでLRH Lightweightリールがその先鞭である。
- 種類 :
- LRH Lightweight
- 直径 : 33/16"(8cm)
- 重量 : 33/4oz(106gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+50yds(25m)
- DT5F+40yds(36m)
- DT6F+25yds(22.5m)
- バリエーションおよび関連商品 :
- LRH Lightweightマルチプラー(1958-1981)
- ガンメタルフェーススプール(日本向け)
- コメント
- 1951年に発表した最初のアルミニュームカラーのスプールを装着した本格的なもので以前の製品はスプールもガンメタルカラーが標準とされていた。
- レギュレーター機構もこのモデルを契機にして統一されている。
- 後日発表されたPrincessとFeatherweightをもってLightweightレンジと呼称される様になるが米国では1960年代何時も品物が店頭で品切れのリールとも呼ばれた程である。
- また、これらのLightweightレンジのリールは先進国を中心にこれほどデザインの盗用を受けたものは少ない。
日本製の偽物がアメリカにおいて堂々とコピーと明示されて販売されスプールまで合ってしまうスゴさであった。
- いまや、このリールは単にHARDYリールとしてではなくフライリールの原型とまでいわれる。
- 製造初年 : 1975年
- 改良年度 : −
- 製品の概要 :
- 古きよき特代を思わせるHARDYのLightweightシリーズの中で一番小さいモデル。
- 発売開始は意外に新しく1974年にデザインが完成して翌年から市販を開始した。
- 当時アメリカでミッジロッドの流行が始まり同社にもFibaliteでの製品が要求された為ライン三番半のロッドを試作、後に製品化したがそれに使用できるリールが無く急拠伝統のスタイルを生かした小型リールとして制作したもの。
- ドラッグ機構はないが材質、性能など最高機種として定評がある。
- 種類 :
- Flyweight
- 直径 : 21/2"(6.35cm)
- 重量 : 23/8oz(67gr)
- ラインの許容量 :
- バリエーションおよび関連商品 : 現在なし
- コメント :
- この当時HARDYとしてはこのクラスのリールの製造着手には反対が多く、経営側の思惑もあって米国からの要求であってもすぐに応じなかった。
- 一部のミッジ愛好家から軽量ロッドが好まれ始めてアメリカでは生産が開始されていたがロッドメーカーとして採算が採れるものではなかったからで、竿は小量でも生産が可能であるがリールの金型を作る為には、多額の資金がいるため見合わせていた。
- 1974年、やむをえずミッジロッドの受註を得たのち、米国代理店との協議で一部の資金分担の約束のもとにFlyweightリールの企画が具体化した。
米国においてもロッドはあってもリールが皆無で必要に迫られていたのである。
- 発表後数年で予想どおりブームが去り、米国における需要は激減したがこれに前後して新しい顧客国が登場して製造中止の決定が回避された。
既にミッジロッドの生産は中断しておりリールの運命も同じと予想されていたのである。
- 新しい顧客とは・・・・日本からのオーダーであった。
渓流におけるフライが中心として始まった日本のフライ市場でこのリールが歓迎された。
爾来Flyweightリールは日本を中心として生き続けているといえる。
- 製造初年 : 1960年
- 改良年度 : 1975年
- 製品の概要 :
- LRH Lightweight及びPrincessに見られるインナー型スプールの中では比較的新しいもので完成度が高い。
- 戦後の混乱期を過ぎて欧州各地でのフライアングラーの増大と多様化により軽量のリールの要望に応じた製品で特に新鮮さはないが、トラウトフィッシング用として最高の人気を誇っている。
- 1975年のモデルからラインガード止めネジが2本から1本になった。
- マルチプラーモデルも販売されていたが軽量ラインでの需要が少ないので1981年で製造を打ち切った。
- 種類 :
- Featherweight
- 直径 : 27/8"(7.3cm)
- 重量 : 3oz(85gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+25yds(22.5m)
- DT5F+0yds
- バリエーションおよび関連商品 :
- Featherweight マルチプラー(1965-1981)
- ガンメタルフェーススプール(日本向)
- ゴールドエディッション
- コメント :
- HARDYのフライリールと云えばこのリールに代表される程、雑誌や各種の写真等に登場しているが誕生は意外と遅い。
このタイプのものが始めて発表されたのが1930年代であることを思うと随分後年になる。
- 然し乍ら大きとの違いをの除けばLightweightやPrincess等インナータイプのデザインは全て同一であるためHARDY家の伝統パターンとしてイメージ化されていると云える。
- ドラッグレギュレーターを始め機構的には全てを備えており世界中のプロと云われる人々は必ず一台持っている。
- 1984年通産省主催第28回日本グッドデザイン賞受賞。
- 製造初年 : 1958年
- 改良年度 : −
- 製品の概要 :
- LRH Lihtweightリールは発売開始後爆発的人気となり世界市場に受入られたが、当時はフライラインがシルクが多く使われていた時代背景もあってラインキャパシティーが不充分の声が出た。
- 特にアメリカ市場から一回り大きいリールが要求されるに至り拡大モデルが計画され製造に着手した。
- 当時のエリザベス王女にちなんで、又、アメリカ人が持っている王室に対する敬愛心をも考慮し、名付けたといわれるが女王様とともに長命のリールである。
- 種類 :
- Princess
- 直径 : 31/2"(8cm)
- 重量 : 53/8oz(152gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+100yds(90m)
- DT5F+75yds(68m)
- DT6F+50yds(45m)
- DT7F+40yds(36m)
- バリエーションおよび関連商品 :
- Princessマルチプラー(1958-継続中)
- ガンメタルフェーススプール(日本向け)
- コメント :
- 欧米で最も良く使われるサイズと機能を備えたリールとして長年に渡り人気があったが、ウェイトフォワードラインの普及と共にアウタースプール型に傾向が移った1970年代から次第に生産量が減少している。
- しかし乍ら伝統のスタイルが依然として根強くヨーロッパでは人気があり、日本でも高く評価されている。
- 人造湖や池などのフライフィッシング用として充分なキャパシティを持つこのクラスの代表である事にかわりなくマルチプラーモデルも健在である。
- 製造初年 : 1969年
- 改良年度 : 1972年
- 製品の概要
- アウタースプール型のリールでアメリカ人向けにラインの番手とリールの番手が同一に対称出来るもの-米国3M社の要求に始まるこのリールはHARDYが米国用に設計製造したものを米国以外のマーケット用として冠した名前である。
- 3M社ではこれらをシステムシリーズとして販売し、Marquisの名のリールはアメリカでは1台も販売できなかった。
- 1969年の販売当初はスプールの真中にあるラッチカバーをHARDYのマークにしたのも区別の為の手段であった。
しかし、機構上の改良により1981年に現在のものに変更した。
- HARDYの本格的アウタースプールモデルとして戦後最大のベストセラーとなり、又、機種も数でも最多種である。
- 種類 :
- Marquis #4
- 直径 : 23/4"(7.0cm)
- 重量 : 31/8oz(92gr)
- ラインの許容量 :
- Marquis #5
- 直径 : 3"(7.6cm)
- 重量 : 33/4oz(106gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+25yds(22.5m)
- DT5F+0yds
- Marquis #6
- 直径 : 31/4"(8.3cm)
- 重量 : 41/4oz(120gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+70yds(64m)
- DT5F+50yds(45m)
- DT6F+25yds(22.5m)
- Marquis #7
- 直径 : 37/16"(8.7cm)
- 重量 : 41/2oz(128gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+75yds(68m)
- DT6F+40yds(36m)
- DT7F+25yds(22.5m)
- Marquis #8/9
- 直径 : 35/8"(9.2cm)
- 重量 : 53/4oz(163gr)
- ラインの許容量 :
- DT6F+75yds(68m)
- DT7F+50yds(45m)
- DT8F+30yds(27m)
- Marquis #10
- 直径 : 33/4"(9.5cm)
- 重量 : 61/2oz(184gr)
- ラインの許容量 :
- DT8F+60yds(54m)
- DT9F+30yds(27m)
- Marquis Salmon #1
- 直径 : 37/8"(9.8cm)
- 重量 : 73/4oz(220gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+150yds(135m) of 27lb
- DT8F+100yds(90m) of 27lb
- DT9F+75yds(68m) of 27lb
- Marquis Salmon #2
- 直径 : 41/8"(10.5cm)
- 重量 : 83/4oz(248gr)
- ラインの許容量 :
- DT8F+150yds(135m) of 27lb
- DT9F+125yds(114m) of 27lb
- DT10F+100yds(90m) of 27lb
- DT11F+75yds(68m) of 27lb
- Marquis Salmon #3
- 直径 : 41/8"(10.5cm)
- 重量 : 9oz(255gr)
- ラインの許容量 :
- DT10F+100yds(90m) of 27lb(40yds Line)
- DT11F+75yds(68m) of 27lb(40yds Line)
- DT12F+50yds(45m) of 27lb(40yds Line)
- バリエーションおよび関連商品 :
- Marquis マルチプラー #6, #7, #8/9リール
- Marquis Salmon サイレント機構付(ディスクブレーキ式)
- ガンメタル フェース スプール(日本向け)
- Gold Marquis(#4, #5, #6)
- Silver Marquis(#6)
- コメント :
- Marquisリールの成功は以後のフライリールの世界を大きく変化させた。
最高の品質で中クラスの価格、今までにはなかった各サイズなど、需要のほとんどをカバーできる初めてのものであった。
- 1981年アメリカ3M社との契杓終了とともに米国でもMarquisの名で販売をスタートしている。
- Marquisリールは他社でも注目の的となり一時フランスのペゾン ド ミシェル社にも同社ブランドで供給したが現在はおえている。
- 3M社のシステムシリーズも全てスプールが同一の為Marquisのスプールが転用可能である。
- 1975年には英国デザインセンターの公認優秀デザインに登録され GOOD DESIGN AWARDS を受けている。
現在世界中で最も知られ、また使われているリールといわれる。
- 1984年通産省主催第28回日本グッドデザイン賞受賞(Marquis #5)。
- 製造初年 : 1979年
- 改良年度 : −
- 製品の概要 :
- 1980年代に入ってのニューモデルとして伝統のデザインと最新の技術が結合されたフライリールでテスト販売された日本とアメリカで大好評を得てHARDYフライリールの仲間入りをした。
- 1924年から1956年までの間同名のモデルがあったが、新Sunbeamは全く違うもので現代を代表できるフライリールといえる。
- ラインガードには高級機種のみに使用されるメノウ石を採用しており、ラインの流れを助けてくれる。
- レギュレーター機構も新しいデザインを採用して、より確実にドラッグが効果を生む様に配置設計された。
使い勝手を考慮してレギュレーターノブ(つまみ)も大型にしている。
- 種類 :
- Sunbeam #5/6
- 直径 : 3"(7.6cm)
- 重量 : 41/2oz(128gr)
- ラインの許容量 :
- DT4F+80yd(70m)
- DT5F+20yds(18m)
- Sunbeam #6/7
- 直径 : 31/2"(8.9cm)
- 重量 : 45/8oz(131gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+80yds(70m)
- DT6F+50yds(45m)
- Sunbeam #7/8
- 直径 : 39/16"(9.0cm)
- 重量 : 53/8oz(152gr)
- ラインの許容量 :
- DT6F+80yds(70m)
- DT7F+40yds(36m)
- Sunbeam #8/9
- 直径 : 35/8"(9.2cm)
- 重量 : 61/8oz(174gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+100yds(90m)
- DT8F+70yds(64m)
- DT9F+0yds
- Sunbeam #9/10
- 直径 : 37/8"(9.8cm)
- 重量 : 71/2oz(213gr)
- ラインの許容量 :
- DT8F+150yds(136m)
- DT9F+120yds(110m)
- DT10F+70yds(64m)
- バリエーションおよび関連商品 : 現在なし
- コメント :
- Sunbeamの開発については日本のフライアングラーが実は非常に大きなヒントをHARDYに示唆してくれたのである。
- 1979年頃より特別に日本からの註文で製造を始めたMarquisのガンメタルスプールがそれで色の配置を始めアウタースプールのもつイメージなど試作の段階では大変参考になった。
- 誕生の経緯については面自い一面がある。
- 実はアメリカで売られている3Mのシステムリールが好評の為、HARDYの米国代理店は大変不満でありMarquisが販売できないのであれば、それに替わる商品の供給を要求したのである。
このためHARDYでは将来にわたって3M社よりのシステムリールの受註を考慮して別途アウタースプールタイプリールの必要に迫られることのなったのである。
Marquisを大胆に鋭角化して試作を米国に示して承認を得て生産にゴーを出した。
- Sunbeamリール発売後、米国での宣伝とセールスが効を奏した結果、今度は3M社が難色を示すところとなりHARDY社ではいろいろ調整したが最終的に3M社との契約を終了することでシステムリールは寿命を終える事になった。
もちろんシステムリールの終りとともにMarquisリールがアメリカにも登場することになったのであるが、異兄弟の命を短じしめたリールでもある。
- なお、HARDY社の都合でカタログの休刊年となったため、新製品でありながら宜伝は一年後から始まったりして何かと話題をもつ製品でもある。
- 製造初年 : 1983年
- 改良年度 : −
- 製品の概要 :
- Marquis, Sunbeamについでのアウタースプール型で手によるブレーキ操作が可能。
今までになかった太ハブを採用してバッキングの中心部への食い込みを防いでいる。
トングーを縦位置に取り付けギヤータッチを確実にし、スプリング機構を一新している。
- スプールの収容巾が増えた結果、直径が縮小し障害物との接触を防ぐ効果がある。
- ガンメタル色のスプールが標準装備、Sunbeamで採用した大型レギュレーターつまみをこの機種にも導入している。
- 種類 :
- Prince 5/6
- 直径 : 3"(7.6cm)
- 重量 : 31/4oz(106gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+135yds(123m)
- DT6F+95yds(86m)
- DT7F+65yds(60m)
- Prince 7/8
- 直径 : 31/4"(8.25cm)
- 重量 : 41/4oz(120gr)
- ラインの許容量 :
- DT6F+195yds(177m)
- DT7F+160yds(145m)
- DT8F+125yds(114m)
- バリエーションおよび関連商品 :
- コメント :
- 1981年、三度目の英国皇太子の御用達となったのを記念して制作を開始したが、新機構のレギュレーターの開発に時間がかかり1983年に発表の運びとなった。
- Princessの販売が1953年で30年遅れてPrinceが登場したことになる。
- 1937年に二回目の御用達が終了して以来HARDYリールには皇太子のマークであるスリーフェザーが付けられなくなったが、このリールから再び復活刻印される。
- HARDYのデザイン技術部の総力を結集してのこのリールはプロトタイプの段階で米国、欧州そして日本から注文が出されており、その完成度は早くから評価されている。
将来更にヴァリエーションが増える予定である。
- 1984年通産省主催第28回日本グッドデザイン賞受賞(Prince 5/6)。
- 製造初年 : 1969年
- 改良年度 : 1981年
- 製品の概要 :
- Marquisリールと同じ年にエコノミークラスとして発表した、兄弟リールのイメージからこのシリーズのラッチカバーもHARDYのマークを象ったものを使用したが1972年現在のものになった。
- リール足が一体化した型で低価格帯の無かったHARDY製品として注目された。
- 1978年日本からの注文により改良機種としてMark IIIを発表、グラファイト時代に対応したガンメタルカラーとして好評を博した。
- 予想を上回る受注の為、金型の寿命が短くなり1980年度の製品をもって製造を中断した。
- 同一金型の再製または新型発表を検討の結果、新ににMark IIとして再生産となった。
- また低価格帯にUniquaを加える事としたため、事実上Viscountリールはグレードアップ化してケース付になった。
- 種類
- Viscount MKII 130
- 直径 : 31/4"(8.3cm)
- 重量 : 3.0oz(85gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+125yds(114m)
- DT6F+75yds(68m)
- DT7F+55yds(50m)
- Viscount MKII 140
- 直径 : 31/2"(8.9cm)
- 重量 : 3.4oz(97gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+100yds(90m)
- DT8F+65yds(59m)
- DT9F+0yds
- Viscount MKII 150
- 直径 : 33/4"(9.5cm)
- 重量 : 4.1oz(116.4gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+260yds(238m)
- DT8F+230yds(210m)
- DT9F+200yds(183m)
- バリエーションおよび関連商品 :
- Viscount 130, 140, 150
- Viscount Mark III 130, 140, 150
- Viscount Mark II サイレント機構付 130, 140, 150
- コメント :
- 戦前、戦後を通じて金型の老朽のために生産が終了することなど無かった事で、いかにViscountリールが世界の需要家に受け入られたかが判る。
フライ愛好家の年齢が年々若くなっているのは世界的現象で、エコノミープライスの製品の供給はメーカーとして無視できないことでもある。
- 各社からこのリールを自社ブランドで販売したいとの希望が寄せられ、他社用も同一金型から製造された。
有名ブランドとしてORVIS社のバッテンキルなどがその一部である。
- この機種にもレギュレーター機構が標準装備されており高級製品にほとんど遜色がない。
またMark IIシリーズからリールケースも付属となっている。
- 製造初年 : 1981年
- 改良年度 : 一
- 製品の概要 :
- 近年全ての欧米企業ではコストの上昇が大きな問題であり低コスト、ハイパーフォーマンスの製品が不可欠になった。
- 新Viscountの開発に際して同一金型を使用して機械処理を簡素化した二種を同時に生産できるモデルが検討されこの結果、Uniquaとなった。
- 最初のUniquaは1903年に登場して約55年売られたがサーモンリールを含めて大変人気のあった機種である。
デザインなど旧型とは異なるので改良とは云えず新しいHARDYの仲間に位置する。
- 種類 :
- Uniqua 31/4
- 直径 : 31/4"(8.3cm)
- 重量 : 2.9oz(82gr)
- ラインの許容量 :
- DT5F+125yds(114m)
- DT6F+75yds(68m)
- DT7F+55yds(50m)
- Uniqua 31/2
- 直径 : 31/2"(8.9cm)
- 重量 : 3.3oz(94gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+100yds(90m)
- DT8F+65yds(59m)
- DT9F+0yds
- Uniqua 33/4
- 直径 : 33/4"(9.5cm)
- 重量 : 4.0oz(114gr)
- ラインの許容量 :
- DT7F+260yds(238m)
- DT8F+230yds(210m)
- DT9F+200yds(183m)
- バリエーションおよび関逮商品 :
- コメント :
- 付属的な機構を全て除いてシンプルさと使いやすさが特徴で価格もHARDYリールとしては大巾にコストダウンしている。
リールケースを別売りにしたのも消費者が買いやすくなると思われるため。
- なお、ViscountやORVIS社の新バッテンキルリールと共用スプール、部品を採用しているのでこれらの組合せによるユーザーセレクションが楽しめる。